動きの不安を解消し、アクティブな毎日を取り戻す
ジムでの運動、ゴルフのスイング、友人との長距離ドライブ。活動的なシニア世代にとって、これらの趣味や外出は生活の質(QOL)を維持するために不可欠です。しかし、尿モレ対策として大人用紙おむつ(紙パンツ)を使い始めると、「股に食い込む」「お尻がゴワつく」「ズボンに響くのが気になる」といった身体的・心理的な抵抗を感じる方が少なくありません。実際、尿モレの不安や紙パンツの見た目が原因で、イベントへの参加を諦めた経験がある方は約7割に上るという調査結果もあります。
特に、体を大きく動かす活動時に生じる「食い込み」は、従来の紙パンツの設計に原因があります。硬い素材や伸縮性の乏しい構造が、体のダイナミックな動きに追従できず、摩擦や圧迫を引き起こしてしまうのです。
本記事では、このアクティブシニア特有の悩みを解消するため、最新の超うす型紙パンツに搭載されている「食い込みにくいギャザー構造」と「動きに追従する高機能素材」について、具体的な製品例を交えて詳しく解説します。適切な製品を選び、不安なく活動を継続するための確かな知識を得ていきましょう。
運動時の「食い込み・ズレ」発生メカニズムと技術革新
従来の紙パンツが活動時に不快感を生む理由
従来の紙パンツは、横モレを防ぐためのギャザー(レッグギャザー)吸収体の存在が、運動時の不快感につながっていました。
- 静的設計の限界:
従来の設計は、座ったり寝たりといった静的な状態でのモレ防止を優先する傾向にありました。このため、屈伸や腰のひねり(ゴルフのスイングなど)といった動的な動きに対して吸収体がよれたり、股下で硬い部分が摩擦点となったりすることで、食い込みや擦れが発生します。 - ギャザーによる圧迫:
モレを防ぐギャザーは、糸状の弾性素材が収縮することでレッグギャザー(立体ギャザー)を形成し、着用者の鼠径部(そけいぶ)に沿って体液の漏れ(横モレ)を防ぎます。しかし、このギャザーが股まわりで皮膚に圧力を集中させ、食い込みや窮屈感につながることがあります。
食い込みを防ぐ「薄さ」と「構造」の革新

現代の超うす型パンツの進化は、硬いギャザーに頼らない、下着に近い構造を追求することで、この問題を克服しようとしています。
- 超うす型設計の採用:
吸収体の厚みを極限まで薄くする「超うす型設計」により、装着時のゴワつきが大幅に軽減され、見た目も下着に近くなりました。例えば、花王の「リリーフ まるで下着」は、超うす型設計によりお尻まわりが目立たないことを特長としています。 - ラッパ状の履き口:
履き口が外側に開いているラッパ状の履き口を持つ製品は、お腹を締めつけにくく、ゆったりとフィットする傾向があり、モニターからは「お腹が苦しくなく動きやすい」といった肯定的な意見も出ています。
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動きやすさを実現する「素材」と「ギャザー」の設計
活動的なシニアにとって、パンツ選びで最も重要なのは、伸縮性と股下への圧迫感の少なさです。
動きに追従する「伸縮性素材」の重要性

激しい動きの際にパンツが体から浮いたり、ズレたりすることを防ぐためには、布下着のような高い伸縮性を持つ素材が全体に採用されていることが重要です。
- 全身フィット技術:
大王製紙の「アテント 超うす型パンツ スポーツ」(旧名称:アテントスポーツパンツ新感覚の下着)は、極うす吸収体を組み合わせることで、「はいていることを忘れるくらいのはき心地」を実現しました。この全面伸縮フィルムの採用により、胴体部表面の凹凸感が軽減され、ズボンのラインが服に出ず、美しいシルエットを実現しています。 - シームレス素材:
ユニ・チャームの「ライフリー すっきりスタイルパンツ」は、しわのできにくいシームレス素材を腰まわりに使用し、お尻の丸みにフィットすることでヒップラインをきれいに見せます。
「食い込みにくいギャザー」の傾向と選び方
股への食い込みは、ギャザーが硬く長いために、屈伸時や座った際に皮膚に線状の圧力を集中させてしまう傾向があることから生じます。
- 短いギャザーのメリット:
モニター評価では、短いギャザーを採用している製品(例:ライフリー うす型軽快パンツ、アテント うす型さらさらパンツ通気性プラス)は、股に食い込みを感じにくいという意見が出ています。特に「アテント うす型さらさらパンツ通気性プラス」では、「ストレッチをしても股に食い込みを感じなかった」というモニターからの声も挙がっています。 - 足回りすっきり形状(特許技術):
「ライフリー すっきりスタイルパンツ」は、足回りすっきり形状(斜めに伸びる吸収体の溝と伸縮不織布とが重なる構造)を採用しており、足ぐりにピタッとフィットしながらも、見た目と履き心地がすっきりしているとされています。 - スイングギャザーの工夫:
白十字の「サルバ やわ楽パンツ」は、スイングギャザーを採用することで、パンツを履く際の足の動きを妨げにくく、転倒防止にもつながると説明されています。
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尿臭対策と長時間利用の安全上の留意事項
活動時の尿臭対策(消臭・抗菌)の重要性
運動や長時間移動で汗をかくと、ムレやすくなり、ニオイが気になることが増えます。紙パンツを選ぶ際は、尿臭対策が施されているかを確認しましょう。
- 消臭成分の働き:
多くの製品には、ニオイを閉じ込める消臭ポリマーや抗菌消臭技術が配合されています。これらは、主にアンモニア、硫化水素、ジメチルアミンといった尿や便のニオイの原因物質に対する消臭効果を発揮します。 - 通気性と肌ケア:
長時間着用する場合や肌が敏感な方は、ムレを防ぐ全面通気シートを採用した製品を選びましょう。また、白十字の製品などに見られるように、素肌と同じ弱酸性素材を採用しているものは、かぶれ防止や抗菌消臭効果を発揮し、肌のトラブルを避けるのに役立ちます。
長距離運転・長時間の活動における注意点

高吸収量の紙パンツは心理的な安心感を提供してくれます。しかし、安全と衛生のため、以下の点に留意が必要です。
- 水分制限は避ける:
トイレの不安から水分摂取を控えるのは脱水症状やエコノミークラス症候群などの危険な症状を招く可能性があるため、絶対に避けてください。喉が渇く前に、利尿作用のないノンカフェイン飲料(麦茶、ほうじ茶、スポーツドリンクなど)をこまめに補給しましょう。 - 交換は必要:
高吸収量の紙パンツであっても、排泄物を含んだまま長時間放置すると、皮膚トラブル(かぶれ)の原因になります。また、吸水スピードが遅い製品では、勢いのある尿で横モレするリスクが高まります。失禁後は速やかに交換することが推奨されます。
アクティブシニア向け製品比較分析(紙パンツ・布パンツ)
スポーツ・外出向け 超うす型 紙パンツの比較
製品名 (メーカー) | 各社公称吸収量 (1回=約150mL換算) | 主な「食い込み」対策・特許技術 | 履き心地/目立ちにくさの傾向 |
アテント 超うす型パンツ(大王製紙) | 2回分 (約300mL) | 全面伸縮フィルム採用(吸収体除く)、極うす吸収体、短いギャザー。 | 驚きのはき心地、ズボンの上から目立たない。モニターから「ストレッチ時に食い込みを感じなかった」という声。 |
ライフリー すっきりスタイルパンツ (ユニ・チャーム) | 2回分 (約300cc) | 足回りすっきり形状(特許技術)、シームレス素材、超うす型設計。 | 後ろ姿がすっきり、ヒップラインがきれい。 |
リリーフ まるで下着 (花王) | 2回分 (約300mL) | 新スリット吸収体搭載、超うす型設計、しなやかフィット生地。 | 限りなく下着に近い履き心地(モニター評価)。ただし、実測吸水量が公称値より少ない傾向があり、排尿量が多い人には不向き。 |
ライフリー うす型軽快パンツ (ユニ・チャーム) | 2回分 (約300mL) | ラッパ状の履き口、短いギャザー、ごわごわしない素材。 | お腹と股への締め付けを感じにくく、ふんわりフィット。 |
軽度失禁向け 布タイプ(吸水パンツ)の検討
紙パンツに心理的な抵抗がある方や、尿量がごく少量(ちょい漏れ)の場合は、吸水機能付きの布製パンツ(失禁パンツ/尿漏れパンツ)が選択肢になります。
- 吸収量の目安:
布タイプの吸水量は製品差が大きいですが、10ccから150cc程度までの軽失禁向けが主流です。例えば、男性用ボクサーパンツタイプには、40cc対応, 50cc対応, 100cc対応、150cc対応といった製品が存在します。 - 利点:
見た目が普通のトランクスやボクサーパンツと変わらないものが多く、見た目のおしゃれさや抵抗感の少なさが大きなメリットです。また、多くは抗菌消臭機能付きで、洗濯して繰り返し使用できます。 - 利用上の注意点:
布タイプは吸収量に限度があるため、1回の排尿量が多い場合(150mL以上)や、頻繁な失禁が予想される日(ゴルフや長距離移動など)は、吸収力の高い使い捨ての紙パンツ(特に超うす型)を着用することをおすすめします。
まとめ:活動の制約を自信に変える一歩
アクティブシニアがスポーツや趣味を制限なく楽しむためには、「食い込み」や「ゴワつき」といった身体的な不快感を取り除くことが最重要です。
- 食い込み知らずのパンツ選び 3つのポイント
- 薄さと伸縮性:
体の動きに追従し、ゴワつきを軽減する「極うす吸収体」と「全面伸縮素材」を採用した製品を選びましょう。 - 股への圧迫感:
股下での圧力を集中させにくい「短いギャザー(またはすっきり形状)」や、お腹を締め付けにくい「ラッパ状の履き口」の製品を試してみましょう。 - サイズ選びと目立ちにくさ:
漏れを防ぐためにも、また動きやすさのためにも、ウエストにぴったりのサイズを選ぶことが絶対条件です。紙パンツを着用する場合、お尻の膨らみが目立つ製品もあるため、普段より一回り大きい、伸縮性の高いボトムス(テーパードパンツなど)と合わせることで、着用バレを効果的に防げます。
- 薄さと伸縮性:
- まずは試すこと
着用感の良さは、お腹への締め付け感のなさや、股への食い込みのなさなど、個人の体型と活動内容によって評価が異なります。ご自身の不安を解消し、アクティブな生活を続けるためには、まずは「リリーフ まるで下着」のお試しパックや「アテント 超うす型パンツ 下着爽快」のような超うす型・高伸縮性の製品を実際に試着し、屈伸や活動をしてみて最適なフィット感を見つけることが、活動への自信につながる第一歩となります。
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