今月の電気料金が高い理由を自分で見つけて来月の不安を減らすセルフチェック

電気使用量最適化

今月の電気料金が思ったより高くて、正直もやもやしていらっしゃると思います。この記事では、明細のどこを順番に見ると原因にたどり着けるか、そして今日から何を直せば来月の負担が軽くなるかを、分かりやすくご案内します。
最後に、Silver Growth Studioの無料電力診断についてご案内します。電力診断の詳しい中身は診断ページTOPにてご確認ください。

最初に3つだけ確認、心当たりを洗い出す

  1. 検針期間の日数
    電気料金の対象期間は、前回の検針日の翌日から今回の検針日前日までです。今月はいつもより日数が長くなっていないかをご確認ください。お引っ越しなどで1か月に満たない場合は日割り計算が行われます。四国電力の解説が分かりやすいです。
  2. 今月だけ増えた生活イベント
    来客が多かった、洗濯乾燥を毎日使った、在宅勤務や試験準備で夜ふかしが続いた、など一時的な増加要因をメモしておきましょう。原因の切り分けが楽になります。
  3. 気温の極端さ
    猛暑や寒波の月は、冷暖房の使用が一気に増えます。資源エネルギー庁は、太陽光の出力が落ちる夕方から夜は需給が厳しくなりやすい時間帯としています。夕方の同時使用(調理・給湯・乾燥・照明・冷暖房の重なり)に心当たりがないか振り返ってみてください。

明細の見方を固定して主因を一つに絞る

迷わないために、以下の順で必ず見ていきます。電気料金は概ね、基本料金+電力量料金±燃料費等調整+再生可能エネルギー発電促進賦課金の構成です。これは電力会社の計算式でも明示されています。

  1. 電力量料金
    まずは使用量そのものが増えていないかを確認します。昨年同月や直近3か月平均と横並びにして、増減の割合をざっくり把握してください。
  2. 燃料費等調整
    原油・LNG・石炭などの価格や市場価格の変動を、数か月遅れで毎月の明細に反映する仕組みです。家の使い方に関係なく増減する要素なので、「外部要因」として切り分けて考えると、不安が整理されます。
  3. 再生可能エネルギー発電促進賦課金
    使用量1kWhあたりで全国一律にかかる費用です。2025年度は3.98円/kWhが適用されます(5月検針分から翌年4月検針分まで)。使用量が多い月は、この項目の見た目の増え方も大きくなります。
  4. 基本料金と契約アンペア
    契約アンペアが高いほど固定費(基本料金)が高くなります。とはいえ、闇雲に下げるとブレーカーが落ちやすくなり、かえって生活に支障が出ることも。月々の使い方とセットで検討するのが安全です。
  5. 割引やポイントの適用漏れ
    今月だけ支払方法や条件の変更で割引が外れていないかを確認します。見落としがちですが、差額感の原因として意外と多いところです。

小ワザとして、目安単価を自作しておくと便利です。
目安単価=〔総請求額−基本料金−再エネ賦課金−燃料費等調整額〕÷使用量
来月の概算づくりに役立ちます。

「我が家の電気代は高いのか?普通か?」を手早く見極める

完璧な全国平均探しより、自宅の推移比較が実用的です。昨年同月、直近3か月平均、今月の3つを横並びにして、比率で見てください。さらに、常時通電の機器(冷蔵庫、Wi-Fiルーター、レコーダー、温水便座、スマートスピーカー、給湯保温など)を棚卸しすると、じわじわ効いている項目が見えてきます。待機時消費電力は家庭全体の約5%前後を占めた時期があり、まとめて見直す価値が高い領域です。

今日から効くことを二つだけ選ぶ

今夜やることを以下から2つ選んで試してみてください。

  • 冷暖房の対応
    設定温度の見直しは効果が分かりやすい対策です。目安として、冷房は1℃上げる、暖房は1℃下げると、消費電力が1割前後変わると言われています。最初の立ち上がりだけ風量を強め、その後は自動運転に戻す運用も効率的です。フィルターのお手入れは2週間に一度を目安に。
  • 給湯の運用
    入浴時間に合わせて沸き上げを調整し、必要以上の高温保温や頻繁な追いだきを避けます。家族の入浴順を詰めて、短時間で連続入浴できるようにするのも有効です。
  • 待機電力のまとめ管理
    就寝中や不在時に使っていない機器の主電源を切る、スケジュール機能やスマートプラグでグルーピングするなど、24時間通電の棚卸しから始めましょう。
  • 冷蔵庫の基本
    詰め込みすぎを避けて放熱スペースを確保し、開閉回数を減らします。急冷運転の多用は避け、庫内設定も見直してみてください。
  • 洗濯乾燥の使い分け
    乾燥は本当に必要な日だけに絞る、脱水時間を長めにして乾燥時間を短縮する、除湿機や扇風機と併用するなどの工夫で、電力量の伸びを抑えられます。

来月の電気料金を自分でざっくり見積もる

  1. 今月の目安単価をつくる
    目安単価=〔総請求額−基本料金−再エネ賦課金−燃料費等調整額〕÷使用量
    料金の考え方は電力会社の計算式と同じです。
  2. 来月の想定使用量を決める
    今夜選んだ2つの対策と、来月の検針日数を踏まえます。検針期間は「前回の翌日〜今回の前日」が1か月の基本です。お引っ越しなどで短い月は日割りの可能性があります。
  3. 概算額を出す
    概算額=目安単価×来月の想定使用量。数字にしてみると、不安が落ち着きやすくなります。

無料電力診断を試してみる

次のいずれかに当てはまる場合は、Silver Growth Studioの無料電力診断の出番かもしれません。

・相場感よりおおむね20%以上高い
・検針日数が伸びていないのに急騰している
・常時使っている電気が大きい可能性が高い
・契約アンペアやプランのミスマッチが疑われる

家電の消費電力を調べるおすすめツールはこちら

明細が手元にないときの対応

明細が必要な理由は、今月の上振れ要因を内訳(使用量、燃料費等調整、再エネ賦課金、基本料金)で切り分け、来月の概算やSilver Growth Studioの無料電力診断(直近3か月分が必要)の根拠にするためです。取り寄せは、

  1. 各社の会員サイトに登録
  2. 契約番号などで本人確認
  3. 料金・使用量ページから直近3か月をPDF/CSVで保存。

ファイルは内訳が読める形式で保管してください。紙停止中はWeb明細で確認しましょう。契約情報が不明なら請求書やカード明細、引っ越し書類を確認し、見つからなければサポート窓口へ問い合わせしましょう。

まとめ

今月の電気料金が高い理由は、明細の見る順番を固定すると整理しやすくなります。まずは電力量料金、次に燃料費等調整と再生可能エネルギー発電促進賦課金、最後に基本料金と契約アンペア、割引の適用有無を確認してください。家の使い方による増減と、外部要因による増減が切り分けられます。

次に、今日から実行できる対策を2つだけ選びます。冷暖房の運用見直しや給湯の時間設定、待機電力の整理、冷蔵庫や洗濯乾燥の使い分けなど、生活に無理のない範囲で着手してください。小さな対策でも複合すると翌月の使用量に効きます。

最後に、来月の概算額を自分でつくり、行動計画に落とし込みます。今月の目安単価を算出し、来月の検針日数と想定使用量を掛け合わせて目安を出すだけでも、不安が数字で可視化されます。相場より大きく上振れている、検針日数が伸びていないのに急騰している、常時使っている電気が大きい可能性が高い、契約のミスマッチが疑われるといったサインがある場合は、Silver Growth Studioの無料電力診断で優先度と下げ幅を数値で確認する方法も検討してください。太陽光や蓄電池を導入しているご家庭は読み方が一部異なるため、現時点では診断対象外です。

この3つの手順を毎月のルーティンにすると、原因の特定から対策、来月の見通しづくりまでを短時間で回せます。

ご参考になれば幸いです。

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