東京電力のスマートライフは高いのか?夜間比率と設備条件で判断する方法

電気使用量最適化

初めてスマートライフプランを検討されるとき、多くの方が東京電力 スマートライフプラン 高い や 東京電力 スマートライフプラン デメリットは のように検索されます。結論から申し上げると、スマートライフが高いか安いかは、ご家庭の夜間比率と設備条件によって大きく変わります。本記事では、公式の料金ルールに沿って判断手順をわかりやすく整理し、日常の電力消費を少しでも節約したい方へ実践的なヒントをご案内します。

参考リンク
・スマートライフ(S/L・時間帯・単価・基本料金)公式ページ 東京電力
・料金プラン一覧と受付状況(S/Lは申込可、旧スマートライフプランは新規停止の注記) 東京電力
・再生可能エネルギー発電促進賦課金 単価と解説(2025年度の単価) 東京電力
・燃料費調整制度(変動の仕組み・注意点) 東京電力

東京電力スマートライフプランは高いのかの判断基準

スマートライフS/Lは時間帯別料金です。午前6時から翌午前1時までの昼間単価が高く、午前1時から午前6時までの夜間単価が安いという構造です。したがって、夜間に電気をまとめて使えるご家庭ほど有利になります。時間帯と単価は以下の通りです。(いずれも税込。実請求には別途、燃料費調整と再エネ賦課金が加わります)

  • 昼間 6時〜翌1時 1kWhあたり35.76円
  • 夜間 1時〜6時 1kWhあたり27.86円

加えて、2025年5月分から2026年4月分までの再エネ賦課金は3.98円/kWhで、使用量に比例して加算されます。燃料費調整は市場等に連動して毎月変動します。単価表だけで判断せず、明細ベースで確認することが重要です。

東京電力スマートライフSとLの基本料金と選び方

スマートライフは契約の決め方によってSとLに分かれます。Sは10A〜60Aのアンペア契約、LはkVA契約です。公式の料金テーブルに合わせて比較します。

スマートライフS/Lの料金比較表(関東エリア・税込)

区分契約の考え方基本料金電力量料金(1kWh)想定される世帯像
スマートライフSアンペア契約 10A〜60A10Aあたり311.75円(例 30A=935.25円、40A=1,247円、50A=1,558.75円、60A=1,870.5円)昼間 35.76円 / 夜間 27.86円集合住宅や中規模戸建てで、夜間に給湯や家事を回せるご家庭
スマートライフL主開閉器容量に応じた6kVA以上の契約(kVA契約)1kVAあたり311.75円昼間 35.76円 / 夜間 27.86円戸建ての大家族や広い住まいで、夜間に給湯・暖房をまとめて使うご家庭

※注記
・時間帯は昼間6時〜翌1時、夜間1時〜6時で共通です。
・計算上は最低月額料金328.08円が設定されています。
・スマートライフプラン(旧スマート契約,kW課金)は新規受付停止ですが、設備状況により適用される場合があります。S/Lは新規申込可能です。

東京電力スマートライフプランが高いと感じやすいケースと相性が良いケース

同じ1か月の総使用量でも、昼夜の配分によって請求額の体感が大きく変わります。以下の観点でご確認ください。

高くなりやすい(不向き)

  • 夜間の使用が少なく、昼間中心の生活である
  • 給湯や暖房がガス・灯油中心で、夜間に電力をまとめて使えない
  • 夏の昼間にエアコンを長時間使う
  • 集合住宅の一括受電で、そもそも対象外である

理由:昼間単価が割高なため、夜間割安のメリットを相殺してしまうためです。設備的に夜間シフトができない場合は、時間帯別の旨味が出にくくなります。

相性が良い(向いている)

  • エコキュートを夜間に沸き上げ運転している
  • 蓄熱暖房機やオフピーク電気温水器を使っている
  • 入浴・洗濯など家事が夜間に集中しやすい生活パターンである
  • 広めの戸建てや大家族で、夜間に給湯・暖房をまとめて動かす

理由:夜間の消費が数十kWh単位で自然に増えるため、夜間単価の割安メリットが積み上がるからです。オール電化の設備がそろうほど夜間比率を上げやすく、昼間の割高分を上回りやすくなります。スマートライフはもともとオール電化住宅を想定したプランで、公式でもオール電化検討世帯に推奨されています。

夜間比率の評価手順と金額インパクト

評価手順は以下の通りです。

  1. 直近3か月の明細またはくらしTEPCOの実績から、総使用量と夜間使用量を確認します。
  2. 夜間比率を 夜間使用量 ÷ 総使用量 × 100 で求めます。
  3. 下の評価基準で目安を確認します。

評価基準の目安は次の通りです。

  • 30%未満 不向きの可能性が高い
  • 30〜40% 境界ライン、実データで試算したい
  • 40%以上 相性が良い可能性が高い

根拠:昼間と夜間の単価差は約7.90円/kWhです。夜間の割合が低いと、夜間の割安メリットよりも昼間の割高負担が上回りやすくなります。時間帯別の単価は固定で、再エネ賦課金や燃料費調整は使用量に応じていずれの時間帯にもかかるため、比率が請求額差に直結します。

金額差の目安例(400kWh/月の世帯を想定)

  • 夜間30%(120kWh)
    ・昼間280kWh×35.76円=10,012円、夜間120kWh×27.86円=3,343円
    ・合計13,355円
  • 夜間40%(160kWh)
    ・昼間240kWh×35.76円=8,582円、夜間160kWh×27.86円=4,458円
    ・合計13,040円

差額は月315円、年間で約3,780円の差になります。使用量が多いご家庭ほど差は拡大します。
(注 計算に燃料費調整と再エネ賦課金は含めていません。いずれも使用量に比例して加算されます)

他プランとの比較視点 住まいのタイプ×家族構成×広さで自己チェック

スマートライフプランに向いているかどうかを、読者ご自身が手元の情報で判断しやすいように整理しました。数値はあくまで目安です。最終判断は夜間比率と設備条件で行ってください。

住まい × 家族 × 広さスマートライフ適性の目安合いやすいプランの方向性理由と補足のポイント
集合住宅 × 単身・二人 × 小さめ(〜50㎡目安)従量電灯系を軸に比較給湯や暖房がガス中心のことが多く、夜間に電気をまとめて使いにくい。夜間比率が上がりづらい。
集合住宅 × 3〜4人 × 中程度(50〜70㎡)従量電灯系 or スマートライフSを比較エコキュート未設置だと夜間消費を作りにくい。夜間家事のタイマー運用ができればSも検討余地。
戸建て × 3〜4人 × 中規模(80〜120㎡)中〜高スマートライフSが本命エコキュートがあれば深夜沸き上げで夜間比率を底上げしやすい。洗濯乾燥・食洗機の夜間運用が現実的。
戸建て × 5人以上 × 大きめ(120㎡〜)スマートライフLが本命給湯・暖房負荷が大きく、夜間集中運転の効果が積み上がる。契約容量もLに適しやすい。
戸建て・集合住宅共通 × ガス・灯油で給湯・暖房従量電灯系を軸に比較給湯・暖房が電化されていないと夜間に電気をまとめづらく、時間帯別のメリットが出にくい。
集合住宅 × 一括受電対象外管理会社や供給事業者のメニューを確認一括受電は個別に東京電力のメニューを選べないことがある。

ポイント
・スマートライフSはアンペア契約(〜60A)、LはkVA契約(7kVA以上目安)です。
・相性の良し悪しは、結局どれだけ夜間に電気を寄せられるかで決まります。給湯がエコキュートか、蓄熱暖房があるかが分かれ目になりやすいです。

スマートライフプランに関するよくあるご質問

Q
スマートライフSとLの違いは何ですか
A

Sは10A〜60Aのアンペア契約、Lは6kVA以上のkVA契約です。基本料金の計算単位が異なります。昼間と夜間の単価は共通です。

Q
スマートライフS/Lの昼間と夜間は何時から何時ですか?
A

昼間 6:00〜翌1:00、夜間 1:00〜6:00(年中共通)。なお、23:00〜1:00は昼間料金です。

Q
スマートライフは今も申し込めますか
A

スマートライフS/Lは新規申込が可能です。旧スマートライフプラン(kW課金のスマート契約)は新規受付停止です。設備状況により適用される場合がある旨が公式に記載されています。

Q
再エネ賦課金と燃料費調整はどのくらいかかりますか
A

2025年5月分〜2026年4月分の再エネ賦課金は3.98円/kWhです。燃料費調整は毎月変動し、請求額に影響します。いずれも使用量に応じて加算されます。

Q
オール電化と相性が良いのはなぜですか
A

エコキュートや蓄熱暖房など、夜間に電力をまとめて使える設備があるため、夜間比率を上げやすく、時間帯単価差のメリットを実現しやすいからです。

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