急な体調不良で「今すぐ、近くで漢方薬」という場面は、どなたにも起こり得ます。本記事は、ドラッグストアや病院が閉まった後に応急処置として漢方薬を探す方に向けて、最短で迷わず入手するための現実的な動き方をまとめました。結論としては、まずは24時間営業のドラッグストア等を優先し、近くにないなど難しい場合にコンビニの「薬」取扱店をピンポイントで探すのが失敗しにくい流れです。漢方薬の購入時に必ず確認したい注意点も最後に整理しています。
先に結論:最短で失敗しない動き方(深夜・休日対応)
- 24時間営業ドラッグストアや深夜まで営業の量販店を地図検索で確認します。公式検索でウエルシアの店舗検索(24時間の有無で絞り込み可能)、ドン・キホーテの店舗検索(医薬品は有資格者在勤時間のみ販売の注記あり)を使うと効率的です。
- 近くに該当がなければ、主要コンビニの「薬」取扱店舗だけに絞って探します。
・ファミリーマートは公式の店舗検索で「設備・取扱いサービス」→「薬」にチェックして絞り込めます。
・セブンイレブンも公式の店舗案内で「取扱商品・サービス」に「薬」チェックの絞り込みが使えます。
・ローソンは「ヘルスケアローソン」など医薬品販売を強化した店舗形態があります。詳細は公式の紹介ページが参考になります。
- 候補が見つかったら必ず電話で在庫と販売時間を確認します。医薬品は薬剤師または登録販売者が在勤している時間帯のみ販売されます。店舗により販売時間の掲示があり、「医薬品販売時間は店舗へお問い合わせください」と明記されるケースもあります。
- 目的は「漢方薬(例:葛根湯、小青竜湯、五苓散など)の一般用(第2類)」。現地でパッケージの分類表示(第2類・指定第2類など)を確認して、用法・用量と注意事項を必ず読みましょう。厚生労働省の資料でも、一般用の漢方薬は第2類に含まれると整理されています。
コンビニで漢方薬は買えるのか

結論は「買える店舗もあるが、全店ではない」です。大手3社でも取扱状況は店舗ごとに大きく異なります。
- ファミリーマート:公式の店舗検索で「薬」フィルターが利用可能。ここに表示される店舗が医薬品取扱の目印になります。表示された店舗の中から近い順に電話し、漢方薬(葛根湯・小青竜湯など)の在庫と販売時間を確認しましょう。
- セブンイレブン:公式の店舗案内で「薬」のチェックで絞り込み可能な導線がありますが、医薬品販売の有無は地域・店舗体制に依存します。まずは「薬」にチェック→候補抽出→電話確認が確実です。
なお、医薬品取扱店の検索は「直接問い合わせが確実」とする解説もあります(一般向け記事)。確度を上げるためにも電話確認を推奨します。 - ローソン:OTC医薬品の販売を強化した「ヘルスケアローソン」という店舗形態があります。ただし通常店舗での取り扱いは限られます。医薬品販売の時間は店舗ごとに異なるため、来店前に電話での確認が必要です。
ポイントは、ウェブの店舗検索で「薬」対応店を絞り込んだ上で、販売時間と在庫を電話確認することです。これが最短ルートになります。
24時間ドラッグストア等を優先すべき理由

深夜・早朝は24時間ドラッグストアを最優先しましょう。理由はつぎの3点です。
- 品揃えと在庫が厚く、葛根湯・小青竜湯・五苓散などの規格違いや代替提案が得やすい
- 薬剤師/登録販売者に症状・持病・併用薬の相談ができ販売時間も明確で空振りが少ない
- 会計・ポイント・領収書、次回購入の再現性が高い
店舗の探し方はつぎの通りです。
- ドラッグストアの公式サイトからの検索もしくは地図アプリ検索
- 24時間店舗を抽出
- 電話で「漢方の在庫」「有資格者の在勤時間」「代替の有無」を確認
到着後は箱の分類(第2類等)と用法・注意を確認し、不安はその場で相談してください。車移動なら駐車場も事前確認をしましょう。ホテル滞在時はフロントに最寄りの24時間店と移動手段を相談すると早いです。漢方が無い時は経口補水液・のど飴・冷却ジェル等で一時対応し、翌日に病院で受診し処方箋をもらうのが良いです。
甘草含有ではむくみやだるさ等の異常に注意し、症状が強い・長引くときは無理をせず受診ください。運転予定がある場合は眠気の副作用の有無を確認するようにしましょう。家族や同僚に依頼する際は品名・メーカー・用量をメモ化して渡すと取り違いを防げます。
服用前の注意(漢方薬の選び方)
- 一般用医薬品は、第1類・第2類(指定第2類含む)・第3類に分類され、漢方薬は第2類に含まれる整理です。購入時は箱面の分類表示で必ず確認してください。
- 代表例
・葛根湯:かぜのひきはじめ、肩こり、頭痛などで用いられる一般用漢方。第2類医薬品として流通しています。
・小青竜湯:鼻水・くしゃみ等に。こちらも一般に第2類として販売されています。 - 甘草(カンゾウ)由来成分を含む漢方は、まれに偽アルドステロン症(むくみ、だるさ、筋力低下、血圧上昇など)に注意が必要とされます。症状に気づいたら服用を中止し、医療機関へ。PMDA(医薬品医療機器総合機構)が注意喚起資料を公開しています。
- 次の方は購入前に薬剤師・登録販売者へ相談してください。
妊娠中・授乳中、高血圧・腎疾患などの持病がある、他薬を服用中、子どもへの投与、持続する高熱や強い脱水がある等。自己判断での長期連用は避けるのが原則です。分類ごとの販売・情報提供体制については厚生労働省の資料も参考になります。
法制度の要点
- 一般用医薬品の販売は、薬剤師(第1類)、薬剤師または登録販売者(第2類・第3類)が対応します。店舗に有資格者が在勤していない時間は販売できません。店舗側が販売時間の掲示や案内をしている例もあります。
- なお、過去に存在した「営業時間の2分の1以上を有資格者在勤に」という“2分の1ルール”は2021年に廃止されています。現在は店舗ごとに販売時間帯の設定・掲示が行われます。
シーン別の行動イメージ

自宅で深夜に発症
自宅から徒歩で店舗まで行ける場合を想定したシーンでは、以下のように行動することをおすすめします。
- ウエルシア等の24時間ドラッグストアを地図検索。なければ、ファミマ・セブン・ローソンの順で薬取扱店を公式サイトで確認。
- 電話で「漢方(商品名例:葛根湯・小青竜湯・五苓散)の在庫」と「販売時間」を確認。
- 来店したら箱の分類表示(第2類等)と添付文書を確認し、初回は少量規格を選ぶと無駄が少なく安全です。
出先・ホテル滞在
出張中などで土地勘がない、といったシーンでは以下のように行動することをおすすめします。
- スマホで現在地からファミマ・セブンの公式サイトから薬を取り扱っている最寄り店舗を地図上で把握。
- 電話で販売時間を確認し、フロントに行き方とタクシーの手配を相談。
- 早朝や深夜帯は販売不可の時間に当たることがあるため、24hドラッグストアやドン・キホーテ等の代替候補も同時に当たると空振りを減らせます。
車移動中
家族と車で移動中、といったシーンにおいては以下のように動くことをおすすめします。
- 同乗者がウエルシア・ドンキを検索して電話確認。なければファミマ/セブンの薬取扱店に切り替え。
- 駐車のしやすさ・販売時間の兼ね合いで目的地を決定。
- 服用後の運転に支障が出ないよう、眠気の有無は必ず確認します。
よくある質問
- Q在庫はあるが、いま販売できないと言われた
- A
有資格者の在勤時間外です。再開時間を聞くか、別店舗(ドラッグストア含む)を当たりましょう。
- Qコンビニのサイトで医薬品だけを探しにくい
- A
医薬品取扱店の検索はサイト・アプリの仕様上わかりづらいことがあります。「薬」フィルタで候補抽出→店舗へ電話確認が最短です。
- Qそもそも漢方薬を選ぶ基準が分からない
- A
葛根湯は「かぜのひきはじめ」、小青竜湯は「鼻水・くしゃみ」など、適応は処方ごとに異なります。箱面の効能・効果と用法用量を必ず確認しましょう。
- Qむくみ・だるさ・血圧上昇などが出た
- A
すぐに漢方薬の服用を中止して病院で受診しましょう。
まとめ
- まずは24時間ドラッグストア(例:ウエルシア)や量販店(ドン・キホーテ)を検索し、電話で販売可否を確認します。
- 近くにドラッグストアがなく難しい場合は、コンビニの「薬」取扱店を公式店舗検索のフィルタで絞り、電話で漢方薬の在庫と販売時間を確認してから移動します。ファミマは「薬」フィルタが明確、セブンも「薬」で絞り込み可能、ローソンは「ヘルスケアローソン」等の店舗形態が目印です。
- 店舗では箱の分類表示(第2類・指定第2類など)、効能・効果,用法・用量,注意事項を必ず確認し、不安があれば店頭の薬剤師・登録販売者に相談します。甘草を含む処方ではむくみ・脱力・高血圧などに注意してください。
この手順に沿えば、深夜や休日でも空振りを最小化し、必要な漢方薬に最短でたどり着けます。体調が不安定なときは無理に遠出せず、近い店舗から電話確認→来店の順で、落ち着いて対応なさってください。
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