親のYoutube収益・ブログ収入を放置してない?ネット資産の落とし穴と対処法

ライフハック

「亡くなった親がYouTubeをやっていたけれど、今も広告収入が振り込まれ続けている……」 「親のブログから毎月アフィリエイト報酬が入っている。これ、どうすればいいの?」

親がYouTuberやブロガー、あるいはネットで作品を公開する同人作家だった場合、その死後も「チャリンチャリン」と入ってくるネット収益。目に見える不動産や預貯金と違って、どう扱えばいいのか分からず困惑してしまいますよね。

「とりあえず放置して、生活費に回しても大丈夫かな?」 「自分の口座に設定し直せば、そのまま引き継げるのでは?」

もしあなたが今、このように考えているなら少し立ち止まってください。

実は、正しい知識を持たずに対処してしまうと、後からプラットフォームの規約違反でアカウントが凍結されたり、税務署から多額の追徴課税を受けたりする「ネット資産の意外な落とし穴」にはまる危険性があります。

本記事では、親戚やご家族のネット収益をどう処理すべきか迷っている方に向けて、放置するリスクや、目に見えない「デジタル遺産」にかかる税金の問題、そして正しい対処法を分かりやすく解説します。

親がやっていたYouTubeやブログ、死後も発生する収益はどうなる?

親や家族が亡くなった後も、インターネット上のコンテンツは24時間365日働き続け、収益を生み出します。動画の再生回数やブログのアクセス数に応じて発生するこれらの収益は、持ち主が亡くなったからといって自動的にストップするわけではありません。では、この「死後も発生し続けるお金」は一体誰のものになり、どう扱うべきなのでしょうか。ここでは、よくやってしまいがちなNGな対応とそのリスクについて解説します。

口座を放置したまま、毎月振り込まれる収益を受け取り続けるのは危険

「親の銀行口座に毎月振り込まれているから、とりあえずそのまま放置しておこう」と考える方は少なくありません。しかし、これは非常に危険な行為です。

まず、金融機関は名義人の死亡を把握した時点で、その口座を「凍結」します。口座が凍結されると、引き出しはもちろん、新たな入金(振り込み)も受け付けられなくなります。つまり、GoogleやASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)から収益が振り込まれても、エラーとなって弾かれてしまうのです。

また、口座が凍結される前にキャッシュカードを使って収益を引き出し、生活費などに使ってしまうのもNGです。亡くなった方の財産(遺産)は、死亡した瞬間に法定相続人全員の共有財産となります。それを一部の人が勝手に引き出して使うと、他の相続人との間で「遺産隠し」や「横領」といった深刻な相続トラブルに発展する可能性があります。さらに、遺産を勝手に処分したとみなされ、「単純承認(借金などのマイナスの財産もすべて引き継ぐこと)」をしたと判断されてしまうリスクもあります。

自分の口座に紐付け直すのも、規約違反や税務上の問題に発展する可能性

「親の口座が使えなくなるなら、管理画面にログインして、振込先を自分の銀行口座に変更すればいいのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、これも安易に行うべきではありません。

  1. プラットフォームの規約違反になる可能性
    多くのアフィリエイトASPや動画配信プラットフォームでは、アカウントの譲渡や貸与を厳格に禁止しています。名義人が亡くなった場合、原則としてアカウントは解約(閉鎖)となるケースが一般的です。運営側に無断で振込先口座だけを別人に変更して収益を受け取り続けると、規約違反としてアカウントが永久凍結され、最悪の場合はこれまでの収益も没収される恐れがあります。
  2. 税務上の大きな問題
    親のアカウントから発生した収益を自分の口座で受け取った場合、そのお金は「誰の所得」になるのでしょうか? もし正式な相続手続きや事業承継手続きを踏まずに収益を受け取っていると、税務署から「不当な所得の移転」や「申告漏れ」を指摘される可能性があります。ネットビジネスの収益権を正しく引き継ぐには、プラットフォームの規約に則った名義変更手続き(可能な場合)と、税法に基づいた適切な申告が不可欠なのです。
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目に見えない「ネット資産」に潜む税金(相続税)の落とし穴

「預金残高や不動産には相続税がかかるのは知っているけれど、ネットの収益なんてどうやって計算するの?」と戸惑う方は多いでしょう。実は、税務署は近年、ネットビジネスによる収益や「デジタル遺産」の監視を非常に強化しています。「目に見えないからバレないだろう」という考えは通用しません。ここでは、ネット資産ならではの税金の落とし穴について解説します。

銀行口座の残高だけでなく将来入ってくる予定の収益も計算対象になる?

相続税の計算をする際、亡くなった日(相続開始日)の銀行口座の残高だけを見ればいいわけではありません。ネット収益で特に気をつけなければならないのが「未収入金」の存在です。

たとえば、YouTubeの広告収益やブログのアフィリエイト報酬は、「収益が発生した月」と「実際に口座に振り込まれる月」にタイムラグがあります。(例:8月に発生した収益が、10月末に振り込まれるなど)。
親が亡くなった時点で「すでに発生しているけれど、まだ口座に振り込まれていないお金」は、立派な相続財産(未収入金)として申告しなければなりません。

また、同人誌の印税や電子書籍の売上なども同様です。販売プラットフォームのダッシュボードを確認し、亡くなった日までの確定報酬額を日割り計算などで正確に割り出す必要があります。これを漏らしてしまうと、後から税務調査で指摘され、延滞税などのペナルティを課されることになります。

収益を生む「アカウントそのもの」に価値(営業権など)がつくケースも

さらに注意が必要なのが、収益を生み出し続けるアカウントそのものの価値です。 たとえば、登録者が何万人もいるYouTubeチャンネルや、毎月安定して数十万円の利益を出す特化ブログは、それ自体が「お金を生む木」です。

もしこれらのアカウントをプラットフォームの許可を得て正当に相続し、あなたが運営を引き継ぐ(あるいは第三者に売却する)場合、税務上は「営業権(のれん)」や「著作権」などの無体財産権として評価される可能性があります。

「単なる趣味のブログだから」と甘く見ていると危険です。継続的に高い収益を上げているアカウントは、事業としての価値があるとみなされ、そのアカウント自体に数百万円〜数千万円の評価額がつき、多額の相続税が発生するケースもゼロではありません。ネット上のアカウントは「目に見えない資産」として、現代の税制において非常に重要な課税対象となり得るのです。

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クリエイターの収益・アカウントを処理する際の注意点

親の遺したネット収益やアカウントにまつわるトラブルを防ぎ、スムーズに手続きを進めるためには、具体的にどのような行動をとるべきなのでしょうか。クリエイター特有の資産を処理する際の、2つの重要なステップを解説します。

プラットフォームの規約でアカウントの譲渡・相続が認められているか確認

真っ先に行うべきは、利用している各プラットフォームの「利用規約」の確認です。アカウントの取り扱いは、サービスごとに大きく異なります。

  • 一代限りの契約(死亡により終了)のケース
    多くのアフィリエイトASP(A8.netなど)や一部のSNSでは、利用規約で「一身専属(その人限りの権利)」と定められています。この場合、相続人がアカウントを引き継ぐことはできず、運営に死亡の事実を伝えてアカウントを閉鎖し、未払い分の報酬の清算方法について個別に対応を仰ぐことになります。
  • 相続や譲渡が認められているケース
    一方で、Google AdSense(YouTubeやブログの収益化)などは、一定の手続きや条件を満たせば、相続人や法人がアカウントの権利(あるいは支払いの受け取り)を引き継げる場合があります。また、同人誌販売サイトなどでも、著作権の相続人として収益の受け取り口座の変更手続きが用意されていることがあります。

まずは管理画面やヘルプセンターから規約を確認し、「引き継ぎが可能なのか、それとも精算して閉鎖すべきなのか」をプラットフォームのルールに従って判断しましょう。

未払いの報酬額を正確に把握する

規約を確認したら、次は「亡くなった日時点での正確な未払い報酬額」を把握します。これは相続税の申告や、遺産分割協議を行うために絶対に欠かせない作業です。

  1. 管理画面へのログイン
    パスワード管理アプリやブラウザの保存情報、あるいは親の使用していたスマートフォンやPCから、各サービスのダッシュボード(管理画面)にアクセスします。
  2. 収益レポートの出力
    亡くなった日を基準として、すでに確定している未払い報酬額をスクリーンショットなどで保存し、証拠として残します。
  3. 関連経費の確認
    サーバー代、ドメイン代、動画編集ソフトのサブスクリプションなど、毎月引き落とされている経費がないかも同時に確認しましょう。これらを解約し忘れると、無駄な出費が続いてしまいます。

もしログイン情報が全く分からず、どうしても管理画面に入れない場合は、運営会社のサポート窓口に「相続人であること」を証明する書類(戸籍謄本など)を提出し、情報開示やアカウントの停止を依頼する必要があります。

まとめ

ここまで、親のYouTube収益やブログ収入といった「ネット資産」を放置するリスクや、複雑な税金の仕組みについて解説してきました。

おさらいすると、以下の点に十分注意する必要があります。

  • 口座放置や勝手な名義変更は規約違反や横領トラブルの元になる
  • まだ振り込まれていない「未収入金」も相続税の対象になる
  • 収益を生む「アカウントそのもの」に財産価値(営業権など)がつく可能性がある
  • まずはプラットフォームの規約確認と、未払い報酬の正確な把握が必須

読者の皆様の中には、「こんなに複雑だとは思わなかった」「自力で計算して税務署に申告するのは絶対に無理だ」と感じた方も多いのではないでしょうか。その感覚は決して間違っていません。

ネット収益やデジタル資産の相続は、非常に特殊で専門的な分野です。 実は、「昔ながらの地元の税理士」に相談しても、対応しきれないケースが多々あります。 「アドセンス?」「VTuber?」「同人誌の電子販売?」と言っても、ITやネットビジネスの仕組み自体を理解していない税理士の場合、アカウントの適切な評価や、未収入金の正しい算出ができず、結果的に税務調査で指摘されてしまうリスクがあるのです。

だからこそ、ネット資産の相続や事業承継に関しては、「ネットビジネスや最新の税制に強い税理士」を頼ることが何よりも重要です。

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